2005年ハイキング/トレッキング

三王山(12月4日,茨城県城里町(旧御前山村),晴,253m)
小春日和とばかりに初冬の低山ハイキングに出掛けました。目的の半分以上は四季彩館での温泉です。ここは帰りに寄ることにして,彼方の三王山に向けて出発です。ガイドブックとは逆のコースをたどり(途中で気がついたのですが),蒼泉寺を訪ねました。ここは板襖の彩色画で有名だそうですが,中には入れず外からちらりと覗けただけでした。登屋集落の柚子畑を見ながら,ひたすらアスファルトの道を歩いていきます。1時間ほどで山頂に着きました。山頂にはBBQ用の炊事場や東屋が整備されており,そこでランチの鍋焼きうどんを食べることにしました。小春日和というものの風が強い山頂でした。周りには落ちかかるもみじいちょうが残っていました。もう晩秋は過ぎ,冬なんですね〜。ちょっと離れたところには展望台があり,底からは銀色に輝く那珂川栃木の山々が見渡せました。降りてきて,ふと気がつくと青空に凛として映えるススキの穂です。すべり台でひとしきり遊んで,ふたたびアスファルトの道を長倉宿に向かいました。四季彩館の温泉でのんびりと暖まり,帰途に着きました。ハナちゃんにペースを合わせると,こんなコースになりますね。
八溝山(10月23日,茨城県大子町,晴,1022m)
この山は15年ほど前に訪れたことがあります。その時はハイキングの予定でしたが,クルマで林道を走っている間にあまり面白そうな山でないように感じたのでそのまま頂上まで行ってしまいました。しかし,茨城県の最高峰を自分の足で踏破したくて再挑戦です。蛇穴の大鳥居をくぐって日輪寺入り口の駐車場までクルマで登ります。八溝嶺神社への旧参道は,予想に反して,とてもよく整備されています。30分ほどで水戸光圀(黄門)が名付けたという金性水にたどり着きました。他に4つの湧水がありますが,ここだけ水が流れていました。ハナちゃんは喉を潤し,私たちは頂上でのコーヒーの為に水筒を満たしました。5分ほどで東屋のある鉄水で,ここから一直線の階段,八丁坂が続きます。階段脇で面白い格好の根っ子や立派なブナが迎えてくれます。30分も登ると八溝嶺神社の鳥居が待っていました。神社の裏手が頂上で,茨城と福島の境になっています。ここでお昼にしましたが,今日は途中のコンビニを見逃してしまい,登山口手前のようやく見つけた雑貨屋でカップ麺とパンしか買うことが出来ませんでした。金性水で沸かしたコーヒーを飲んだ後は,お城スタイルの展望台に100円払って登ることにしました。360度の展望が開け,鶏頂山,日光連山那須連山筑波山が望めました。はるか,彼方には大きな富士山がぼんやりと見えました。景色を堪能した後は,銀性水から旧参道を別れて落ち葉でフカフカの新参道をたどり,坂東三十三観音霊場の第21番札所の日輪寺を訪ねます。ここからどんどん下って,ちょっと手入れがお留守のようなワサビ田を横目にみて一路駐車場を目指します。ここで,こんな面白い切り株を見つけました。3時間半ほどの山行でしたが,訪ねて良かったと感じました
お約束の温泉(森林の温泉)を訪ねる途中で廃校になった小学校を利用した大子おやき学校に立ち寄りました。おやきって信州のものかと思っていました。
立山(9月23日,富山県立山町,曇り/晴)
日本スポーツマスターズ2005という大会が富山市で開催され,自転車競技に出場することになりました。カミさんが単独行動でも立山を歩きたいというので,せっかく足を伸ばすのだからハイキングをしてみようということになりました。予定はすべてカミさん任せです。前日の23時につくばを発ち,立山駅駐車場に着いたのは朝の7時前でした。
さっそく,ケーブルカーと高原バスを乗り継いで標高2450mの室堂平にきました。立山自然保護センターに行くと,ちょうど9時から富山県認定のナチュラリストによる散策案内がありましたので参加することにしました。石畳の散策路の脇には花期を終えたチングルマが見られます。風車のようでなかなか風情があります。ヤマハハコに見送られて,玉殿岩屋への道をたどると,ナチュラリストが面白い実を食べましょうといいます。高山植物を採集したり折ったりすることは禁止ですが,実を食べたりすることはオーケーだそうです。ブルーベリーの一種のクロウスゴです。やや渋いですが食べられないことはありません。玉殿岩屋は板状節理の岩にできた修験洞です。そういえば,立山は山岳信仰の対象,神の山なんです。ちなみに,手前の洞窟は近年の新興宗教団体が勝手に設置したものだそうです。あるパンフレットには間違ってこちらが写真に載っていました。洞窟の上の岩にはイワヒゲが頑張っています。これは草ではなく木ということです。スズランのような可憐な花をつけていました。花といえば,愛犬のハナは今回の旅行は連れてきていません。この立山はペットの連れ込み禁止なので,義姉のところでお留守番です。玉殿岩屋まで降りてくると,眼前に紅葉の景色が広がります。ナナカマドが赤く色づいていますが,まだ少し早いようです。道を戻り,300年前の日本最古の山小屋という立山室堂を見学します。ここからみくりが池に向かいます。ナチュラリストがまた面白い実を食べてみてくれといいます。真っ先にカミさんが口にいれて,トクホンの匂いがする,といいます。私はサロメチールの匂いと表現しました。シラタマノキの実です。まあ,食べるもんじゃないようですね〜。眼下には血の池地獄谷が広がり,立山連峰の方には氷河の痕という山崎カールが望めます。みくりが池は,穏やかならば,立山連峰を写してそれはきれいだそうです。雲がかかっていた連峰もちょうどこの頃はすっきりと見えました。あすの自転車レースがなければ3000mの雄山に登ってみたかったですね〜。2時間半ほどで散策は終わり,高原バスで下に向かうことにしました。
標高1930mの弥陀ケ原で途中下車しました。ここのホテルでお昼をとり,湿原を散策しました。日差しも風もすっかり秋めいています。池塘が散在する餓鬼田の風景やゴマナ,ワレモコウが乱舞するのどかな初秋に心も洗われました。カミさんの計画に感謝,感謝です。
高山(5月29日,栃木県日光市,晴/曇,1668m)
今年もシロヤシオを訪ねて日光の高山にでかけました。今年はカミさんとハナが同伴です。竜頭山の家の脇から登り始めると,すぐにコバイケイソウのお出迎えです。少し登っていくと,それは見事なトウゴクミツバツツジの乱舞に出合いました。すこし急な坂道を登って稜線にでると,左は中禅寺湖,右は戦場ケ原が樹間に望めます。やがて,昨年はお目にかかれなかった,アズマシャクナゲがあちこちに咲いている光景に出会いました。色も白から桃色までとりどりでした。しかし,期待したシロヤシオはまだです。残念でした。一登りで頂上にたどり着き,賑やかな頂上で,例によって,ビールでランチをとりました。陽射しは強からず,風も爽やかで,ついつい居眠りをしてしまいました。カミさんはちょっと千鳥足でハナをお供にトウゴクミツバツツジの間を下っていきます。ルンルン気分で熊窪に到着して,砂浜で湖に向かってヤッホーです。気がついてみると,登りからここまで高山には瘤だらけの樹や古木,倒木が多く見られました。ここで,出合ったハイカーから,千手が浜のシャクナゲは満開だが,クリンソウはまだ10日早いことを聞き,脚を伸ばしてみることにしました。15分ほどで着いた千手が浜からの男体山は文字通り雄大でした。養鱒場の庭にはクリンソウがちらほら咲いていますが,確かに九輪のように咲くにはまだ早いようです。シャクナゲはパスして,ふたたび熊窪にもどり菖蒲ヶ浜にむかって歩きます。なんと,なんと,シロヤシオとトウゴクミツバツツジの大群落にお目にかかれました。頂上では蕾でしたが,ここは満開です。訪ねた甲斐がありました。赤岩のガレ場にはハナちゃんも閉口しましたが,我々にとっては満開のシロヤシオが辛さを忘れさせてくれます。湖岸の遊歩道にはハウチワカエデの花が咲いていたり,足下にはニガイチゴの可憐な花が咲いています。そうこうするうちに菖蒲ヶ浜に着きました。疲れ切ったハナちゃんを励まして,竜頭の滝を眺めながら,駐車場に戻り着きました。6時間ほどの行程でした。帰路の清滝ではいつものやしおの湯に寄り道をして汗を流しました。今回は,同じ山を何度も訪ねる,という面白さがわかった楽しい山行でした。
横根山(5月5日,栃木県鹿沼市・粟野町,晴,1372m)
ガイドブックのアカヤシオの記事に誘われて,古峰原・横根山・井戸湿原を訪ねました。古峯神社経由で前日光ハイランドロッジまでクルマで行くつもりが,あっちもこっちも林道は行き止まり。やむなく古峯神社から3kmの関東自然歩道入り口にクルマを置いて,井戸湿原まで往復するコースを辿ることにしました。沢沿いの道を10分ほどでへつり地蔵に着き,さらに40分ほどの古峰高原で一休みです。昨年の今ごろはここから行者岳を目指しました。足下のマイヅルソウや頭上のズミを眺めながら40分も歩くと三枚石がある古峯神社奥の院に着きました。もう少し歩くと方塞(ほうさい)山なので,そこで昼食にすることにして先を行きます。方塞山での昼食はビールとおにぎりとカップ麺です。今日のビールは効きました。横根山への道はスミレが咲き誇る前日光牧場をめぐるコースです。アップダウンを繰り返す道端をカミさんが指さすあたりをみればコケリンドウが咲いています。よく見ないと分からないような小さな花です。前日光ハイランドロッジでアイスクリームをほお張りながら振り返れば男体山が霞んで見えます。さらに横根山を目指します。しかし,頂上は思ったほど視界が利かず,ちょっと残念。木陰にのこるに驚きながら,まだ,つぼみのツツジのトンネルを抜けると井戸湿原に到着です。ここまでで4時間,はや2時をまわっています。木道の下にはミズバショウも見えます。圧巻は,湿原の向こうに見えるアカヤシオの群落です。コバイケイソウの遊歩道をぐるっと回るとそれは見事なアカヤシオです。苦労して歩いてきた甲斐がありました。さぁ〜てと,ここから出発地点まで戻らなくてはなりません。黙々と2時間半かけて,車道と林道をテクテク歩き,ようやくクルマにもどり着いたのは5時半をまわっていました。7時間半のハイキングはさすがに疲れました。しかし,今日一番のお利口さんはハナちゃんでしょう。人間でいえば70歳にもなろうという歳ですが,苦手の砂利道で跛をひきながらも良く歩いてくれました。
三毳山(4月2日,栃木県佐野市・岩舟町・藤岡町,晴|曇,229m)
今年のカタクリ見物は佐野市のカタクリの里としました。ついでに,三毳山(みかもやま,竜ガ岳)を散策してみました。万葉自然公園カタクリの里はクルマで混雑し,なんと,ペットは入園禁止ではありませんか! 仕方なく,ハナはクルマでお留守番となりました。予定していた三毳山縦走もオジャンになりそうです。とにかく,駐車料金500円を払ったので,カタクリの里を探訪します。入り口ではミズバショウがお迎えです。ガイドブックにあるように,園内は広くみごとなカタクリの群生です。アズマイチゲも混じっていますが,まだ開き切っていません。大勢の観光客から逃れて,とちぎ花センターに向かい,三毳山にアタックすることにします。
お隣のみかも山公園に入り,竜ガ岳の道標にしたがって登り始めます。コースは良く整備されいますが,頂上付近で岩が多くなり,ハイキングシューズを履いてこなかったことが後悔されます。頂上はパラボラアンテナが立つだけの狭いところです。ちょっと下がったところでランチです。おにぎりと,ビールとカップスープで満腹です。
来た道を折り返して,中岳を過ぎ,道端のシュンランに見送られ,三毳神社に参拝し,急な階段を下り,舗装路にたどり着きます。このあたりは再び県営のみかも山公園です。舗装路はフラワートレインのためのものです。道の脇にはヒメオドリコソウタチツボスミレヘビイチゴオオイヌノフグリタンポポカキドウシが咲いています。樹木は,カンザクラコブシがボッツリと咲いています。やがて,再びカタクリの群生地に出合います。さきほどのカタクリの里よりも数は少ないですが,斜面が急なこともあり,間近に見ることが出来ます。ニリンソウもキレイです。佐野のカタクリの里よりもこちらの方が良いように思いました。やがて,みかも山公園の駐車場に着き,お隣の花センターに帰ってきました。このコースは楽なコースですが,みかも山公園で遊ぶことが出来るし(とくにフラワートレインはお奨めかも),花センターもなかなかですので,もう一度訪ねる価値ありです。
芳賀富士(1月2日,栃木県益子町,晴,272m)
暮れからの飲んで食べてのぐうたら生活で体が重くなったような気がするので,今年最初のハイキングに出掛けました。大晦日の大雪もあったので,暖かい房総とも思ったのですが,近場の益子の芳賀富士を訪ねることにしました。地元では大平山とも呼ぶそうです。なにはともあれ富士登山です。スタートは真岡鐵道の七井駅です。すでに,12時を回っています。凍った町並みの道をおっかなびっくり歩き,建設途中の運動公園を過ぎて,これまた凍りついた雑木林を抜けて1時間20分もすると芳賀富士が見えてきました。なるほど,富士山の山容です。でもまるで箱庭のようです。さらに田園の中を10分ほど進むと安善寺入り口に到達します。ようやく富士登山です。山門の脇の登山路は大雪でハナちゃんも困っています。すぐに熊野神社の階段に出くわします。ここを過ぎて20分もしないうちに頂上に着きます。遅くなりましたが,今日のお昼は鍋焼きうどんです。いけね〜,ビールを忘れてしまいました。お腹が一杯になり,あたりを見渡すとはるか彼方に見慣れた筑波山が見えます。さてと,下山としましょうか。ふたたび,退屈な道を七井駅まで辿ります。とは言うものの,ここは関東ふれあいの道のコースなのです。今日はちょっと足を伸ばして,井頭公園の風呂に入ることにします。

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