上肢帯 shoulder girdle
上肢帯は鎖骨 clavicle と肩甲骨 scapula から成る。下肢帯と比べ,上肢帯は体幹と四肢(自由上肢)の結びつきがゆるやかで,したがって運動の自由度が大きい。哺乳類では霊長類で鎖骨がよく発達しているが,イヌでは鎖骨を欠く。
両者の移動運動 locomotion の形態から上肢帯の意義を考えてみよう。
- 1. 鎖骨 clavicle
- ・かたちは?
- 生体ではどの程度触れられるか?
- ・鎖骨が存在しないとどうなるか?
- ・骨端線の癒合は成人(20歳過ぎ)までみられない,X線像で骨折線と間違えないように!
- ・骨化様式は?
- ・胸骨端 sternal end (1) ---- 胸鎖関節 sternoclavicular joint (2)
- 断面のかたちは?
- ・肩峰端 acromial end (3) ---- 肩鎖関節 acromioclavicular joint (4)
- 断面のかたちは?
- ・円錐靭帯結節 conoid tubercle (5);上・下面の判定の指標となる。
- 2. 肩甲骨 scapula
- ・かたちは?
- ・厚さは?
- ・胸郭との位置関係は?
- ・自由上肢の運動と肩甲骨の運動の関係は?(どこまで上肢を外転したら肩甲骨は動くか)
- ・生体での winged (alar) scapula とはどのような肩甲骨の状態(生体での)をいうか?
- ・肋骨面 costal surface (7-1),背側面 posterior surface (7-2),内側縁 medial border (7-3),外側縁 lateral border (7-4),外側角 lateral angle (7-5),上角 superior angle (7-6),下角 inferior angle (7-7)を区別せよ。
- ・関節窩 glenoid cavity (8)
- 関節上結節 supraglenoid tubercle (9),関節下結節 infraglenoid tubercle
(10);何が着くか?
- 肩関節を構成するこの部は非常に浅い(股関節と比べよ)ので,靭帯,筋による補強がある。ことに筋(rotator cuff)は静的な状態(重りをぶら下げているような状態)では補強としては働かないがに,運動時には著しい働きを示す。
- これらの筋はどこに付着するか調べよ。
- ・肩甲切痕 suprascapular notch (11);何が通るか?
- ・肩甲棘 spine of scapula (12)
- 棘上窩 supraspinous fossa (13),棘下窩 infraspinous fossa (14);生体では何が収まっているか?
- ・肩峰 acromion (15);自分の体で触れてみよ。
- 左右のこの点を直線で結ぶと肩峰幅(肩幅)が計れる。
- ・烏口突起 coracoid process (16)
- 何が着くか?
- 生体で触れられるか?