鎖骨の骨化様式
骨化の様式には軟骨性骨化と膜性骨化がある。大部分の骨は軟骨性骨化をする。膜性骨化の代表は頭蓋冠の扁平骨だ。そしてこの鎖骨も大部分が膜性骨化をする(一部は軟骨性骨化をする)。約 4億5千万年前の,鎧を身にまとったヤツメウナギのような無顎甲皮類の頭蓋冠に連結していた小さな骨から鎖骨が由来していることが鎖骨の歴史を物語っている。
鎖骨は中央部が膜性骨,両端が軟骨性骨という骨化様式を兼ね備えている。骨化の時期も特徴的である。鎖骨は最も早く骨化し始める,そして最も遅く癒合が完成する。胎生5週で結合組織の膜に2つの骨化点が現れる。すぐにこの2つの骨化点は癒合する。二次骨化点が胸骨端に出現する。この二次骨化点は18から25歳で癒合しはじめ,25〜31歳で癒合が完成する。時として肩峰端にも小さな二次骨化点が出現することがある。