シンポジウム5  S5−1

子どもの発達段階にふさわしい身体活動
今井重孝(青山学院大学文学部教育学科)
Physical activity proper for each developmental stage of children
IMAI, S.

 世界で900校近く存在し現在増加中のシュタイナー学校は、そのユニークな教 育方法と卒業生のすぐれた資質において有名である。この学校の教育を支える発 達段階の考え方は、子どもの年齢にふさわしい身体活動のあり方を考える上で示 唆に富む。0歳から7歳までは、模倣という身体活動によって、意志、感情、思 考の教育がなされ、7歳から14歳までは、芸術的活動を中心として、意志と思考 の教育がなされ、14歳以降になってはじめて、思考への働きかけを中心として意 志と感情に働きかける教育がなされるべきというシュタイナーの発達段階論が、 脳科学者の最新の主張とも整合的であることを示し、発達にふさわしい身体活動 のあり方について論じる。