Biodex2とCybex2の互換性

渡辺将司、高井省三
筑波大学大学院人間総合科学研究科

 等速性筋力測定器はいくつかのメーカーが製造しているが,機種によって出力値が異なる.本研究は,2社の等速性筋力測定器(Biodex?とCybex?)の互換性を検討し,可換式を作成した.  被験者成人男女14名(男性9名,女性5名)について,肘関節と膝関節の伸展屈曲筋力を測定した.肘関節の角速度は,60°/sec240°/secで,膝関節の角速度は60°/sec300°/secである.測定は両腕,両脚を行なった.出力値の差の検定には,対応のあるt検定を用いた.統計的有意水準は5%である.  膝関節では,角速度60°/secの屈曲でCybex?が有意に大きく,300°/secの伸展でBiodex?が有意に大きかった.肘関節では,屈曲は60°/sec240°/secともにCybex?が有意に大きく,240°/secの伸展ではBiodex?が有意に大きかった.Cybex?からBiodex?の値を予測する可換式の精度を表す重相関係数は0.72から0.96の範囲であった.  出力値の差の原因は,おもに姿勢試技の違い(肘関節:Cybex?は仰臥位,Biodex?は座位),重力補正の方法の違い(膝関節:Cybex?は屈曲45°,Biodex?は完全伸展),座部や固定バッドの形,堅さの違いであることが示唆された.

(第59回日本体力医学会,2004.9.14--16,さいたま市)

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